BTR5 2021でMQAデコードを使用する方法

BTR5 2021はMQA Rendererとして動作することが出来ます。この機能を使用するにはUSBDAC入力を使用し、かつ、再生ソフトウェアやトランスポート機器側でMQA Coreデコードに対応したものを使用する必要があります。

まず前提条件として、BTR5 2021でMQAソースをデコードする場合、再生アプリからビットパーフェクトでBTR5に対して音声データが入力される必要があります。よってBluetooth接続では非可逆圧縮処理が介在するためMQAを使用できません。

再生アプリ側のソフトウェアボリューム変更や、EQ(イコライザー)、ノーマライズ処理がされたMQAソースがBTR5 2021に入力されるとき、MQAとして正しく認識されない場合があります。BTR5 2021に音声信号が入力されるとき、フルボリュームかつ無加工でなければならないということです。音量調整はBTR5 2021側のハードウェアボリュームを使用してください。MQAでは音声波形中に処理に必要なデータが埋め込まれていますが、EQなどが介在するとこれらの波形が変質してしまい、必要なデータを取り出せなくなるためです。

また、MQAファイルには2段階の折りたたみ処理が行われており、これをBTR5 2021で完全に展開する(フルデコードといいます)には、Coreデコード(1段階目の折りたたみ処理)を行ったデータをBTR5 2021に入力する必要があります。そのため、MQAファイルの再生に用いる音楽再生ソフトウェア側でCoreデコードを行う必要があります。

正しくMQAとしてBTR5 2021に音声データが入力されるとディスプレイに「MQA」と表示されます。

スマートフォンでの設定例

付属ケーブルあるいはFiiO LT-LT1などのケーブルを使用し、BTR5 2021のType-C端子と接続します。あるいはBTR5 LC 2021に付属するLightning to Type-Cケーブルを使用して接続してください。MQA Coreデコードに対応するアプリケーションを用いて再生を行ってください。

※ 代理店ではiOS版Roon v1.8及びAndroid版USB Audio Player Pro v6.0.2.9以降(MQAオプションのアプリ内購入が必須です)を用いて動作確認を行っており、推奨する環境になります。iOS版Roonは単体では使用できません。Roon用のシステムを事前に構築する必要があり、詳しくはメーカーのホームページやマニュアルをご確認ください。Roonのシステム構築自体に関するテクニカルサポートは行っておりません。

※ FiiOが提供しているGoogle Playに存在するFiiO MusicはMQAデコードに対応しないため利用することができませんが、FiiO製のMQA対応デジタルオーディオプレーヤーに搭載されているFiiO MusicはMQAに対応します。

※ 変換アダプタを介する構成はトラブルに見舞われる例が多いことからお勧めしません。

Roonでの設定例

「Device setup」内の「MQA capabilities」を「Renderer only」に設定して下さい。この設定によってMQA CoreデコードはRoon Core側で行われ、以降のデコードプロセスがBTR5 2021で行われます。

Audirvanaでの設定例

「オーディオ設定」で「MQAデバイスの自動検出」を有効にするか、有効にしても正しくBTR5 2021が認識されない場合には「DACはMQAとして認識されず、次のように使用します」というオプションで「MQAレンダラー」を選択して下さい。 この設定によってMQA CoreデコードはAudirvana側で行われ、以降のデコードプロセスがBTR5 2021で行われます。