バランス出力の出力電力がアンバランス出力よりも少し低いのはなぜですか?

バランス出力を持つ最初の製品であるX7 AM3モジュールを設計したとき,標準に従って設計すると,バランス出力からの出力電力はアンバランス出力の2倍(理論的には4倍)大きくなります。アンバランス出力で良好な駆動能力を維持した状態でこの規格に従うと,バランス出力からの出力電力は非常に高くなります。たとえば,アンバランス出力が200mWの電力を持つ場合,バランス出力は最大400mWになります。そのような高レベルの出力電力は,著しい加熱および電力消費を引き起こし,その結果,ユーザーエクスペリエンスを低下させる可能性があります。逆にバランス出力を200mWにすると,アンバランス出力は100mWに低下しますが,それでは出力レベルが低過ぎます。したがって,慎重に検討した結果,バランス出力とアンバランス出力を同じレベルに保つことにしました。

厳密に言えば,バランスヘッドフォン出力はBTL回路を使用するのが一般的です。BTL回路は同じ電源電圧でアンバランス出力よりもはるかに高い出力を供給できるため,マルチメディアスピーカや車載アンプには一般的でした。しかし,ポータブルプレーヤーで高出力を得るためにバランス設計が必ず必要なわけではありません。

ポータルプレーヤーでバランス出力を使用する最大の利点は,実際にはBTL回路にはグランドラインがないことです。したがって,アンバランス出力では左右のチャンネルがグランドラインを共有するためにチャンネルセパレーションが低いという問題を解決できます。

また,アンバランス出力の場合,左右のチャンネルは異なるDAC出力とフィルタ信号を受け取ります。類似する他社製品のほとんどで使用されているアーキテクチャは基本的に同じです。